三重県南部に位置する尾鷲市。
三方を雄大な紀伊山地に囲まれ、目の前には黒潮おどる熊野灘が広がる自然豊かなまちです。昔から、リアス式海岸による天然の良港を生かした漁業と、急峻な地形を生かして育てた「尾鷲ヒノキ」を軸とした林業を柱に、尾鷲ならではの風土を生かした特産品を有する農業を含めた一次産業をメインに栄えてきました。
かつては陸路がなく、海と山によって隔てられた尾鷲の浦々では独自の郷土食文化を形成。『さんま寿司』や『さんまの丸干し』・『梶賀のあぶり』といった郷土食が今でも特定地位のみで生産されています。
特に日本の三大珍味でもある『からすみ』はこの地域でも古くから生産され、毎年11月頃にのみ見られる艶やかで美しいオレンジ色は、季節の風物詩として尾鷲の人々に親しまれています。
雨でも有名なこの地域。屋久島と肩を並べるほどの降水量があり、日本でも三本指に入ります。ただ、思っているような年中雨が降っているというイメージではありません。日照時間は東京となんら変わりないのです。ただ、一度に降る雨の量がすごいんです。尾鷲の雨はよくあめ玉ほどの大きさだとも言われてきたぐらいです。南向きの地形と裏手に大台系の高い山々が連なる地域だからこそなんだと思います。
2004年7月7日、世界遺産に登録された参詣道『熊野古道 伊勢路』もあり、古くから伊勢神宮と熊野三山を結ぶ交通路で、「伊勢へ七度、熊野へ三度」と呼ばれる信仰の路として、この尾鷲にも多くの巡礼者が訪れていたようです。峠には今もなお当時を感じさせる石畳が残っています。
僕たちは基本となる塩作りはもちろんのこと、
地域の特産物を取り入れた"尾鷲しお学舎"らしさや
尾鷲らしさのあるモノづくりにこれからも挑戦し続けます。
尾鷲しお学舎校長 尾上 和寿